サウジアラビア政府が国民向けに提供している、スマートフォンアプリ「Absher」
このアプリは、男性ユーザーが女性親族らの位置情報を追跡できる機能が備えられているものです。
女性の位置を追跡できるのは、人権の侵害にあたると人権団体からの批判があがりましたが、16日にサウジアラビア政府はこれに対し反論声明を発表しました。
このアプリは、アンドロイドとアップルのiOSに対応しており、ビザの更新など電子化された政府のサービスにも対応しています。
サウジアラビア政府の反論内容
同国政府は、Absherの目的は、高齢者や女性、介護を必要とする人たちなどを含む、全ての人々にサービスを提供することだと主張しました。
批判が起きている事に対しては、組織的な活動であり政治問題化しようと企てられていると糾弾しました。
アップルのCEOティム・クックは、インタビューでAbsherのことを尋ねられると、そんなアプリは聞いたことがない、調べさせるとコメントしました。
サウジアラビアで続く男女の格差
国際社会からの厳しい目が向けられているサウジアラビアですが、2017年に新皇太子のムハンマド・ビン・サルマンが即位し実権を握っています。

経済面などの改革促進を明言し、国際的にも注目を集めましたが、依然としてサウジアラビアでは、人権活動家や女性権利を唱える活動家などが拘束されたままになっており、法的立場も明らかにされず拘束場所までも好評されていません。
女性が出国したり旅券を更新する際は、夫もしくは男性近親者からの同意を得なければならない決まりがいまだに残る国です。
女性を追跡できる機能のあるアプリを「国が国民に配信する」というのは、日本では全く考えられないことですね。
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