2011年の京に次ぎ再び世界一のスパコン発表か 米中凌ぐその実態は?

先端技術において日本が他国を大きく上回る能力を持つ事実は、2011年に大きく知れ渡ったスーパーコンピューター、の存在から既にご存知のことと思われます。しかし、以降は米中によって京よりも演算能力の高いスパコンが現れ、長らく日本は首位から外されたように考えられてきました。

ですが、2020年6月、緩やかな停滞が続いていたはずの日本で新たにスパコン界を激変させるニュースが報じられるようになりました。なんと、第4次産業革命の核であるスーパーコンピューター分野で日本が再び最強国に浮上したというのです。つまり日本が米中を凌駕するスパコンを生み出したということになるのですが、そのスパコンとは何なのか?


新たに発表されたスパコン富岳の実物写真(上)

国際スーパーコンピューター学会は6月22日、日本の理化学研究所と富士通が共同開発したスーパーコンピューター富岳が世界上位500大スパコンにおいてトップに認定されたと発表しました。富岳の演算処理能力は驚異のスピードを誇り、なんと1秒間に41京5000兆回もの演算処理が実現できるのだとか。たとえば地球上の70億人の人口が休まず1秒当たり1回ずつ計算して2年以上も時間がかかる量を、富岳はわずか1秒で処理してしまうということになります。

これはランキングの2位として知られるアメリカのスーパーコンピューターと比較しても3倍近い差があり、圧倒的な演算能力に激震が走っています。

近年、スーパーコンピューターは未来産業における必須インフラとして考えられてきました。そのため毎年アメリカと中国が莫大な金額をスパコン開発に回しており、頻繁に新型のスパコンが現れては代替わりしていたのですが、2014年から富岳ひとつの開発に1300億円を投資し続けた日本が努力を遂に実らせた結果となりました。

富岳という超高性能なスーパーコンピューターの開発に成功したことにより、「日本は今後の社会において新型コロナウイルス治療剤の開発競争でも有利な位置を占めたのではないか?」という予測も立てられているそうです。また、今月刊行された日本経済新聞の記事には「日本は富岳を活用して2000種の新薬候補物質の探索研究を進めている」との記載も見られており、これからますます富岳が活躍していくことが期待されます。

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